Vasilハードフォークとは?
そもそもハードフォークは、仮想通貨を支えるブロックチェーンが永久に分岐(枝分かれ、フォーク)するという意味で、主に仮想通貨のアップグレードを意味する言葉として利用されます。
Vasilハードフォークとは、Cardanoの大型アップグレードの事を言います。
また、このハードフォークでは、Cardanoブロックチェーンとそのスマートコントラクトプラットフォームである「Plutus」で重要なアップデートが実施される予定となっており、具体的には後ほど紹介する4種類のカルダノ改善提案(CIP)が導入予定です。
これらのアップデートによってスケーラビリティ(拡張性・適応能力)が大幅に向上されると期待されています。
ちなみに、Vasilハードフォークはチャールズの亡き友人であり、カルダノコミュニティメンバーでもある数学者、VasilDabovにちなんで名付けられました。
カルダノ改善提案(CIP)
CIP(Cardano Improvement Proposals)は4つあります。
- CIP-31 (リファレンス入力)
- CIP-32 (インラインデータ)
- CIP-33(リファレンススクリプト)
- CIP-40(コラテラルアウトプット)
です。分かりやすい解説を心がけますが、ここから少し技術的な話になるので苦手な方は聞き流して下さい。
リファレンス入力により、複数のdAppが同じデータムから同時に読み取ることができるため、同時実行性が向上します。
・dApp…分散型アプリケーションのこと。
・データム(datum)…UTXO に関連付けることができ、その所有者やUTXOを使用できるタイミングの詳細などの、スクリプトの状態を保持するために使用される情報の一部。
また、Cardanoが現在行っているような単なるハッシュではなく、オンチェーンにデータを保存することができます。ここでインラインデータが役に立ってきます。
・ハッシュ…データを決まった長さの文字列(ハッシュ値)にして置き換えること。
・オンチェーン…ブロックチェーンを使った処理のこと。また「ブロックチェーン上で、ブロックチェーンを使用して」という意味。
開発者はデータを取り込む必要がないため、より簡単にスクリプトと対話することができます。
・スクリプト…人間が読み書きしやすいプログラミング言語で書かれたプログラム(ソースコード)を即座に実行できるようなもの。
一方、リファレンススクリプトの目的は、トランザクションコストを削減することです。現在、新しいスクリプトを各トランザクションに含める必要があります。
スクリプトは、リファレンススクリプトを使用して対話できます。これにより、スクリプトがチェーンにプッシュされます。その結果、スマートコントラクトの相互作用は最小限に抑えられます。
一方、コラテラルアウトプットの目的は、トランザクション検証プロセスを改善することです。
・コラテラル…担保のこと。
Vasilハードフォークのスケジュール
IOHKのTwitterより引用
・5月末までは非公開のテストネットフェーズ
・6月上旬にVasilはCardanoテストネットでライブ
・6月29日にメインネットハードフォーク提案提出
VasilハードフォークとADAの価格
CardiansのTwitterより引用
この図のようにADAの価格はハードフォークの前に上がっていることが多いです。今は価格が下がって辛いかもしれませんが、一緒に乗り越えていきましょう。
参考文献
El Lanzamiento del Hard Fork de Cardano, Vasil, para el 29 de Junio Sigue en Marcha
What is Vasil Hardfork & Why it is important to Cardano?
Cardano創設者:Vasilハードフォーク「予定通り進行中」と報告|6月末にアップグレード
Vasil Hard Fork on June 29th, 2022
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