Contingent Staking(コンティンジェント・ステーキング)とは?

カルダノについて

コンティンジェント・ステーキングとは?

現在のステーキングの仕組みでは、委任者(デリゲーター)がプールにトランザクションを送り、それが処理されることで委任が完了します。これは委任者からプールへの一方向の仕組みです。

しかし、コンティンジェント・ステーキングは、委任者とSPO(ステークプールオペレーター)の両方が、トランザクションを処理する前に署名するという双方向の仕組みとなります。

つまり、コンティンジェント・ステーキングが取り入れられた場合、プールの運営者はユーザーからの委任を「受け入れるか・拒否するか」を選択できるようになります。

「知る権利」+「断る権利」+(規制に対処)

カルダノの創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏によると、コンティンジェント・ステーキングを使用すれば、プールの運営者は委任する相手を選ぶことができ、規制により遵守しやすくなるとのこと。

また、ステーキングには、SPOがブロックを生成し報酬を委任者と分配する、というビジネスのような側面もあります。ここで重要なのが、どんな人でもビジネスを持ち掛けられた際には、詳細を「知る権利」とビジネスを自体を「断る権利」があるということです。この「断る権利」と「知る権利」こそがコンティンジェント・ステーキングの本質です。

しかし、現在のステーキングでは、SPOは委任者の詳細を知ることができない上、断ることもできません。このことを踏まえると、コンティンジェント・ステーキングは「知る権利」、「断る権利」を実現させるための仕組みであり、規制に従うためだけに作られた仕組みではありません

このことを踏まえると、コンティンジェント・ステーキングは、単にSPOに「知る権利」を与えるだけであり、カルダノにKYC規制を導入するものではないと言えます。

より理解を深めるため「断る権利」の重要性が分かる例を紹介します。

あなたは今、ウクライナのSPOであり、あなたの委任者の1人はロシア政府の人です。あなたはウクライナの住民なのにも関わらず、ロシア政府とビジネスをしています。あなたのプールが行った仕事の結果、ロシア政府に報酬が支払われます。現在のステーキングの仕組みでは、あなたはこのクレイジーな顧客からのビジネスを断ることができません。

次に「知る権利」の重要性が分かる例を紹介します。

時は進み、2025年。あるひどい法律が可決されました。あなたは規制の対象者となります。あなたは「私はイギリスの法人であり、イギリスの市民だ!」と言うが、アメリカはグローバルな法律を行使し、あなたが一人のアメリカ人とビジネスを行うと、法律上は完全にアメリカにいるかのように扱われると言われます。したがって、アメリカの規制の影響を受けたくないイギリスの法人としては、委任者にアメリカがいないかを確認する必要があります。

これらをまとめると、コンティンジェント・ステーキングは、SPOに「知る権利」、「断る権利」を与える上、規制にうまく適合できる仕組みだと分かります。

選択の自由

コンティンジェント・ステーキングはすぐに実装されるのではなく、まず分散型ガバナンスで議論があり、その後、コミュニティからの投票によって実装されるかが決定します。もし実装が決まったとしても、SPOがそれを受け入れるかどうかは自由です。

これは通常のステーキングを置き換えるわけでもなく、プライベートプールを削除するわけでもありません。SPOのマーケットプレイスも存在する上、人々が自分たちのニーズに合わせて、通常のステークプールや今回提案されたコンティンジェント・プールへ委任を継続することができます。

あなたはどのプールにも委任することができますし、分散型ガバナンスで投票して「NO」を選択することも可能です。

参考文献

Staking and Regulation

Contingent Staking

 

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