Midnight(DUST)とは?

カルダノについて

Midnightとは?

Midnightは、プライバシーに焦点を当てたカルダノの新しいサイドチェーンです。また、このサイドチェーンはゼロ知識証明技術に支えられており、従来のプライバシーコインプロジェクトからさらに一歩進んで、ゼロ知識証明のスマートコントラクトを提供する予定です。

また、チャールズ・ホスキンソンは「このシステムはプライバシーを保護しながら、規制当局や監査人がシステムにアクセスできるように機能する」と述べています。

また、Midnightはデータ保護に基づくブロックチェーンであり、機密性の高い個人データや商業データを保護するのに役立ちます。また、個人、開発者、企業の基本的な自由を守ることをサポートします。

「Midnightは、開発者がTypescriptをはじめとする多くのプログラミング言語を使って、データ保護を最優先としたDAppsを迅速に構築・展開できるようにする一方で、企業はリークや検閲の心配なく重要な情報を共有できるようになります」と、Midnight公式サイトの情報に記されています。

Midnightは、既存のプライバシー重視のブロックチェーンである Zcashや Moneroで使用されている奇妙な zk-SNARKよりも、Typescriptをはじめとするより広く知られているプログラミング言語で作成されるため、開発者にとってよりユーザーフレンドリーになります。

DUSTトークンとは?

DUSTトークンは、Midnightのネイティブトークンになります。

ADAはCardanoのネイティブトークンですが、この2つは相殺されたり、もう一方を不要なものにすることなく共存することになります。MidnightのDUSTトークンは、Midnightネットワークの一部であり、独自のネットワーク内で意義を見出します。

その限定的な詳細とユースケースはまだ明らかではありませんが、DUSTトークンはガス料金を支払うためのものになると言われています。

また、Midnightの台帳はSPO(ステークプールオペレーター)が維持するようになり、その対価としてSPOにも、ADA保有者にも報酬が支払われるようになります。つまりMidnightがローンチすれば、ある時点でADAだけでなくDUSTも獲得できるようになるということです。

ゼロ知識証明とMidnight

ゼロ知識証明とは?

ゼロ知識証明とは、相手に情報の内容を開示することなく、情報を知っていることを証明する技術のことです。

ゼロ知識証明とMidnightのユースケース

Midnightは、ゼロ知識証明技術に基づいています。この技術は、Zcashのようなプライバシーコインですでに適用されています。しかし、Zcashは支払いにしか使われておらず、ブロックチェーン技術のユースケースのごく一部でしかありません。

Midnightの主なユースケースとして期待されるものは何でしょうか。それは、選択的な開示ができるようになることです。例えば、あなたは取引所(中央集権的または非中央集権的な)に対して、パスポートや同様の書類をアップロードすることなく、アメリカの市民であることを証明することができるようになります。そして実際、あなたの住所や銀行の詳細、目の色などは、彼らのビジネスには全く関係ありません。

多くの人の考えと裏腹に、企業はこの技術を歓迎するはずです。多くの場合、企業は顧客から必要以上の情報を得ることを望んでいません。なぜなら、余計な情報は個人情報保護法の監視下に置かれる上に、ハッキングによる被害が余計に増えることを意味するからです。

ゼロ知識証明のスマートコントラクトの例

Cheeky Cryptoとのインタビューで、チャールズ・ホスキンソンはこの広範囲に及ぶユースケースの例を挙げています。

・オーダーブックが表示されないプライベートDEX:ユーザの取引戦略が公開されることはなく、悪用されることもありません。

・プライバシーを維持しながらのデータマイニング:人々のプライバシーを侵害することなく、データサンプリングが可能になります。

・個々のデータにアクセスせずに広告をターゲティング:広告主もブラウザも、個々のユーザについて何も知る必要なく、人々にターゲティングできます。これは、昔ながらのプライバシー侵害のない広告モデルと、ユーザにとって意味のあるターゲティング広告モデルの良いところを折り込んだものです。

Zcash、MoneroとMidnight

チャールズ・ホスキンソンは最近のインタビューで「Midnightは、ZcashやMoneroがzk-SNARKsやリング署名で行っていた、プライバシーコイン技術を進化させたものです。」と語っています。

このことを踏まえると、Zcach、Moneroといった既存のプライバシーコインプロジェクト、zk-SNARKs、リング署名といったプライバシーコイン技術を知ればMidnightの理解が深まるはずです。

Zcachとは?

Zcash - Wikipedia

Zcashは「zk-SNARKs」を活用しており、匿名性を確保した状態で決済や取引ができる仮想通貨です。ビットコインなどの既存のブロックチェーンの多くは、過去のトランザクションを保持し、新しいトランザクションを記録していくものであるため、透明性は非常に高いです。しかし、透明性が高いが故に、プライバシーや個人情報の保護という点においてはブロックチェーンの利用は不向きでした。

そこで、Zcashの開発チームは、個人情報・プライバシーを保護しながら送金や決済ができるよう、送金者や通信経路などを匿名化した暗号通貨を開発しました。Zcashは、ゼロ知識暗号の新しい形式である「zk-SNARKs」を初めて導入しました。「ZK-Snarks」を利用することで送金金額や送受金を行ったユーザーの詳細を匿名化しています。

zk-SNARKsとは?

zk-SNARKは、”Zero-Knowledge Succinct Non-Interactive Argument of Knowledge”の略であり、非対話型のゼロ知識証明技術です。

それぞれの単語を日本語に訳すと、

Zero Knowledge:ゼロ知識の
Succinct: 簡潔な
Non-interactive: 非対話の
Argument of Knowledge: 知識の根拠

という意味になります。

Moneroとは?

ファイル:Monero-Logo.svg - Wikipedia

Moneroは「ステルスアドレス」という受取人を秘匿する技術と、送金者を秘匿する「リング署名」という技術を活用した秘匿性の高い仮想通貨です。Moneroを使用したとしても、使用者の保有残高やトランザクションが他者に洩れることがないため、プライバシーが保護されます。

ステルスアドレスとは?

Moneroには「送金用」と「閲覧用」の2つの送金アドレスがあり、送金をする際は送金用のワンタイムアドレスを作成します。

ワンタイムアドレスは、1回のみ使用可能な使い捨てアドレスであり、ブロックチェーンに記録されてもそれ以降は使用しないため個人情報・プライバシーが保護されます。これがステルスアドレスの仕組みです。

リング署名とは?

一般的に送金時には署名を行います。その時、署名は各自がそれぞれ持つ秘密鍵(プライベートキー)と公開鍵(パブリックキー)を使用して行われるため、送金者を簡単に特定できます。(①)

対して、リング署名の場合は複数人の公開鍵を束ねて利用します(②)。また、利用者はある特定のグループだけに属するのではなく、他のグループのリング署名に参加する(③)ので、特定することがより困難となり、秘匿性が高まります。

参考文献

Midnight By Cardano

Cardano Is Launching New Privacy Blockchain and Token

Hoskinson Indirectly Says Cardano ‘Midnight’ Has Ethereum Programmability and Zcash Privacy

Cardano Plans Privacy-Focused Blockchain And A New Stablecoin

Cardano Founder To Release “Private Blockchain ‘Midnight’, Token ‘Dust’”

Cardano announces Midnight: smart contract chain with privacy

Exploring Cardano Privacy Blockchain: Midnight

Midnightの公式サイト

リング署名で匿名性を高めた暗号通貨「モネロ」の概要

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